無題

いろんな事が始まるこの季節にはどうか、という話ですが…。
この冬から春にかけて、個人的に思い入れのある二人の人が亡くなりました。
一人はチョン・ダビンさん、韓国の女優さんです。
二月に亡くなった彼女の死の真相は分かっていませんが、自殺であろうと言われています。
約一年前、急に職を失った私は、ずっと家にいました。元がテレビっ子ですから、午前中からテレビの前。で、見始めたのが韓流ドラマ「屋根部屋のネコ」。最初はただの暇つぶしでしたが、ハマるというのは怖いですね、「んなアホなぁ」とつっこみながら、続きが気になって仕方がない。結局最終回まできっちり見てました。そのドラマで主役を演じていたのが、彼女でした。ドラマの中の彼女は元気で正直で、素敵でした。少なからず落ち込んで滅入りがちな時間を助けてもらった、それを忘れないと思います。
もう一人は鴨志田穣さん。先月20日に亡くなった、ジャーナリストです。妻であり漫画家である西原理恵子さんの作品を通してしか知らないその姿は、常にめちゃくちゃでした。漫画ですからデフォルメはあったにせよ、ダメのかたまりに見えました。一度離婚した二人が再婚したと知った時、この繰り返しでずっと年を重ねていくんじゃないかと、なんとなく思いました。彼女は家族(お子さんが二人)のことをよく描きます。鴨ちゃんが出てきたり、出てこなかったりの歳月が続いて、子供たちは日々大きくなっていく、娘さんが結婚するなんてことになったらさぞ大変だろうと、勝手に想像していました。残念です。
メディアを通じてしか知らない、このくらいの距離の人が亡くなるのはそう珍しいことではないのに、この二人のことは今も頭から離れません。無関係な私が言うのもなんですが、何か形にしないとけじめがつかないと思ってしまったので、この場で。すいませんね。
「ご冥福」があちらでの幸せ、という意味で合っているのなら、心からお祈りします。