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ホテルでやっぱりおいしい朝ご飯を済ませ、今日はポーランドの北の方の街、グダンスクに向かう。正直、かなり後ろ髪を引かれている。ああ、こんないい光の中の街を撮りたい。
タクシーで駅へ。ホームに、細いリボンをつけた一輪のバラの花を持った青年。おとといクに「欧米か」とつっこみかけたが、こっちでは人の家に行くときなどには花を持っていく習慣があるそうで、それが拡大しているのかいろんなところで花を一輪持った人に会う。大抵は男はあげる人、女はもらった人。花屋も多い。大小問わず、3、4軒が並んでいるのも珍しくない(ちなみにたまに見かける墓地はどこも花でいっぱい。日本じゃお盆でもあそこまでいかない)。

ホームが間違っていないか確認しようと、20歳くらいの女性に声をかける(若い人は英語がまあまあ通じることが多いので)。確認がとれてそのまま待っていると、何やらアナウンスが流れるが、当然なんだかわからない。周りにいた人が動かないので、到着ホームが変わったとかではないんだろうと、まあいいやモードに入る。するとさっきホームのことを聞いた女性が近づいてきて、「15分くらい遅れるみたいだ」とわざわざ説明してくれた。ここは本当に、親切な人が多い。
しばらくして列車が来る。グダンスクまで約3時間。牛、山羊、鹿(!)菜の花畑、とうもろこし畑、家がちらほらの、のんびりした風景が今まで通り続く。違うのは森が多いことくらい。畑の中の家はどれもべらぼうに庭が広い。リンゴの木が5、6本あったり、大きな木と木にロープを渡して洗濯物が干してあったり。「ひねもすのたりのたりかな」って感じ。今日もいい天気。
グダンスクに着く。大きな街なので、駅も大きい。とりあえず宿へ。
ネットで予約したホテルに着くと、この道の100mほど先にあるオレンジ色の建物がそうだからと言われて、移動。別館とかなのか?とか話しつつ、重い荷物を引きずって歩く。ちなみにポーランド、歩道は石畳がとっても多い。キツイ。しばらく行くが、なんだかわからないので、私が荷物番をして相方が先行してくれる。やっぱり珍しい東洋人。行き交う人に結構見られながら待っていると、相方が帰ってきた。結果、この時点での結論は「よくわからんが行ってみよう」だった。確かにオレンジの屋根の建物があり、そこの主人らしいおばさんが道まで出てきていたと。で、「ここはホテル○○か?」と聞くと「違う」と返事をされたらしい。だが、そこらしい。???とりあえずそのホテルに着く。おばさんは片言の英語しか分からないので、意志の疎通がなかなかできなかったが、いろいろ聞いててやっとわかった。私たちが予約したホテルから依頼されて、部屋を用意してくれていると。相方の「!はいはい。」と大きくうなずくのを見て、おばさんも私もほっとする。それにしてもどういうこと?勝手にそういうことしといて、さっきそこに行ったときに詳細の説明はいっさいなし。ここがいい宿みたいだったからいいけど、何か、ヤな感じ。
2、3階に3部屋ずつの計6部屋。全体的にウッディーな、かわいい宿。部屋は3階。エレベーターはなし。荷物をどうにか運び上げ、やっとひとごごち。あたりを見渡して思う。かなりの田舎やぞ。スーパーのようなコンビニのような店が一軒、100mくらい先にあるだけ。さて。まずは晩ご飯、どうする?

街で食べるしかないだろうということで、初のバス体験。切符はkioskで買えることは知っていたが、10分券30分券1日券があり、行き先の旧市街が何分かかるのかわからない。店で聞こうと思ったらそのkioskが開いてない。バス待ちしていたお兄さんに聞くと、運転手から買えるとのこと。それも知っていたんだが、言葉の通じない相手に運転中話しかけられたら迷惑だろうからkioskで、と思っていたんだよぉ、と考えてる間もなく、バスが来てしまった。ええい、乗ってしまえ。金額だけはわかっていたのでちょうど用意して運転手さんに渡して指で「2」と出すとあっさり買えた。3枚綴りのこの切符、自分でもぎって自分で改札(車内に改札機あり)する。切符を持っていなかったり、改札してない切符を持っていると結構な罰金を取られるとのことだったが、降りるときに確認されるわけでもない。運転手しか乗ってないこのバスで、どうやって検札するのか、未だにナゾ。
旧市街に着く。トルンより随分規模が大きい。第二次大戦で街の大部分が壊されてしまったが、市民によって見事に復元されたと本にあった。これをかぁ?とにわかには信じがたい規模。大きく、美しい建物の数々。ポーランド人、恐るべし。

しばらく街中を歩いていると感じの良さそうな店を発見。晩ご飯、決定。店の外のオープンスペースに落ち着き、注文。ここでやっと、念願が叶う。ガイドにあったジューレックというスープ。説明文ではいまいちピンとこないけど、とにかくおいしいらしいので絶対に食べようと決めていた(ちなみにポーランドではスープは「食べる」もの。何種類か食べたけど、どれも具だくさんでおいしい)。ジューレックとピザを注文してわくわくしながら待つ。食べ物にわくわくするなんて、いつ以来だろう?来た、食べた、うまっ!!!でも説明できない味。とにかくうまい。これにははまった。前に書いたが、ここはチーズやソーセージがおいしい。ということはピザも当然。いやぁ、最高の夕食だった。
とっぷり日も暮れた頃、宿に帰ろうとタクシー乗り場へ向かうが、タクシーおらず。しばらく歩くとかえるのマークのコンビニあり。そこで買い物して、レジのお姉さんに近くにタクシーを拾えるところはないかと尋ねると、ないとのこと。だめもとで呼んでもらう事ってできる?ときいてみたら気軽に引き受けてくれた。いい人だ。しかもすぐに来てくれた。ここでの命綱、宿のママ("おばさん"から昇格している)に書いてもらった宿の住所メモを運転手さんに見せて、無事帰還。
宿の裏手はオーナーの自宅。きれいな庭をはさんで家がある。週末だからか、その庭で家族バーベキューをしている。そういえば出かける時からずっと庭でそろってくつろいでた。冬が長くて厳しいから、外での楽しみを満喫しているのかもなぁ、と眺めつつ、階段の喫煙スペースで一服。そう、部屋は禁煙。それもまたよし。