ロンドン〜ワルシャワ

朝。明るくなってから改めて外を見ると、なかなか素敵な街並み。いかにもイギリス(って、言うほど知らないけど)。レンガの壁の家、大きな街路樹はポプラ。この国に特別興味はなかったけど、うん、きれい。

本館で朝ごはん。薄いトーストとコーヒーの、いたってシンプルな内容。まぁイギリスだし、と特にがっかりするでもなく。荷物をまとめて部屋を出る時、扉に部屋番号の下書きを見つける。最後の一笑い。消しときなさいよ。

チェックアウトを済ませて呼んでもらったタクシーを待っていると、同じくタクシー待ちのイギリス人老夫婦と一緒になった。これからオーストラリアへ6週間の旅行だそうだ。素敵。同じ英語圏だから、比較的気軽に行けたりするんだろうか。何にせよ、帰ってきたら真冬だよ。体調に気をつけてほしいなぁ。
タクシーでヒースロー空港へ。そこからワルシャワ行きの便が出るルートン空港へバス移動。バスを待ってると変なTシャツを着た兄ちゃんが。前。横に大きくTOYOHASHI その下、右胸に縦書きで忍者、とありその横にS36とラグビーのユニフォームみたいな字で書いてある。後。前と同じく横書きでOKAYAMA その下に大きく ザ とだけ。色は鮮やかな青の地に黄色の文字。どこで買った!?
1時間ちょっとでひとり3700円のバスの旅。けっ。北海道を思い出すような風景があちこちに。よかったんだけど、オリンピックの準備なのか道路工事だらけ。興ざめ。あと妙にテンション高い割に不慣れでよく口ごもる挨拶をしてくれた運転手さん、お仕事がんばってね。
ルートン着。勝手がわからないので早めに行動したものの、早すぎて時間を持て余す。ベンチが空いてないので、うろうろしてお昼を食べ、うろうろして買い物、さらにうろうろし疲れてコーヒーを買って1時間潰す。コーヒー多い、濃い。
ワルシャワまではeasy Jetという会社の飛行機。相方がネットで見つけたこの会社、安いが安いなりにいろいろある。今回特にネックだったのは荷物。まず預ける荷物に重量制限(20kg)があり、オーバーすると超過料金を取られる。そして機内に持ち込む荷物は一人ひとつ。当然大きさに制限あり。旅慣れてる訳でもない私たち、しかも半分冬支度が入った18日間分の荷物が制限内で収まるわけがない。しょうがないので空港内で安くて大きいリュックをひとつ買い、ロビーのすみっこで詰め分け作業。事前に重さを量れないので、一か八かでカウンターへ。スーツケース19.7kg。お見事。
その後チェックイン。相方は元々ウエストポーチとリュックを持っているので、私のと合わせて3つ。で。「洗濯物を入れるために持ってきたクリーニング屋のビニール袋(大)にウエストポーチを2つつっこみ、なんとか一つということにならんか大作戦」を決行。怒られるだろうなぁとびくびくしながらチェックを受けると、あっさりクリア。なんだそれ。
その後、国外脱出恒例の2時間待ち。さらに遅れが出て「ラウンジで待っとけ」以外の情報なし。ここで旅のお供となるうさぎのマスコット(体長約10cm、)を購入。のちにグロシュ(ポーランドの補助通貨の単位、日本で言うと銭みたいなもの。普通に使われているが、店によっては用意してなくて細かいお釣りがないけどいい?とか言われることもあるらしい)と命名。かわいいぞ、このやろう。ぶらぶら疲れもピークに達した頃、やっと搭乗ゲートの指示。向かう途中、ゲートでも何でもないところで職員のおばさんに声をかけられ、質問責めに合う。「どこ行くの?」「何しに行くの?」「初めて?」「イギリスではいくら使ったの?」「?」「?」「?」。…うるさい!他の欧米人は素通りしてるのに、東洋人がいちゃ悪いの?あー、感じ悪い。結局行ってみると最後尾。時間に遅れたわけではなく、実はeasy Jet、全席自由席。何とか通路をはさんで隣同士の席を確保。テレビなんかあるわけもなく、サービスは全て有料。文句は言いません、コミコミで一人片道6000円ほど。安い。
日もとっぷり暮れた頃、ワルシャワ着。着陸した時5、6人から拍手がおこったのは何だったのかしら。助かったのかしら、あたしたち。
入国ゲートのすぐ向こうに荷物受け取りスペース。混んでるは狭いわで大混乱。何だこの国際空港は、と思ったが建物を出てわかった。そこは離れみたいな位置づけの古い小さなターミナル。薄暗く、待ってるタクシーも、ガイドに載ってたここのは安心、って会社のは一台もない。他の乗客が向かう方へついて歩くと、5分ほどしてやっと空港らしい大きな建物に着いた。タクシー乗り場は結構な行列。不慣れな外国人を絵に描いたような私たちには、やたら客引きが寄ってくる。何とか断って(というかシカトして)タクシーへ。行き先を告げてほっとしたのもつかの間、まぁえらいこと荒い運転。町中で平気で90km/h出す。その上ちょっと遅かったり寄せてくる車がいると、通常会話の音量で悪態をつく。何言ってんのかわかんなくてよかったんだろう、たぶん(この運転手さんの名誉のために。ポーランドの人は、タクシーに限らずほとんど運転荒いです。急ブレーキ、急発進の音は町中でフツー。歩行者も引けるもんならひいてみな、的なオーラで歩いてますが)。
9時半頃、ホテル着。随分広く、天井の高い部屋。が、何となく殺風景。そんなことよりお腹空いた。フロントで聞くと、すぐそばの深夜営業しているレストランを教えてくれた。幸い多少英語の分かるおねえさんがいて、丁寧に対応してくれる。結果メニューはよくわかんなかったけど鶏肉がどうの、と牛肉がどうの、の2品とビール(小)2杯を注文。しばらくしてまずビール(大、1リットル)が来る。唖然とした私たちを見て、おねえさん「あら、ひとつは小さいのだったかしら!?」的なことを言う。まあいいか、と飲んでいるうちにやってきた料理を見て更なる衝撃。何なんだこの量は。相方の鶏肉は長さ50cmくらいの金串バーベキューに温野菜てんこ盛り。私の牛肉は2つ折りした直径20cm位のパンケーキみたいなやつに具の多いビーフシチューがはさんであって上から更に別のソースがかかっている。その上どちらの皿にも大量のゆでじゃがいも。食えるか!!結局半分近くとビールも残して退散。そう、ここは一日5食食べる国、ポーランド。どうなる、わたし。